目次

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血液をサラサラにするお薬と歯科の治療について

・血栓症とは

・血栓症の種類

⁻動脈血栓

⁻静脈血栓

・血栓症に対するお薬

⁻動脈血栓の予防

⁻静脈血栓の予防

・抗血栓薬と歯科治療

・安全に歯科治療を受けるために

・まとめ

 

 

血液をサラサラにするお薬と歯科の治療について

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こんにちは。南武線『稲田堤駅』より徒歩１分の歯医者・歯科「ししどファミリー歯科稲田堤駅前」院長の中村です。

今回は血液をサラサラにするお薬と歯科の治療の話です。全身疾患と歯科治療はかなり密接な関係をしています。血液をサラサラにするお薬は、血栓症という病気に対してのんでもらうお薬です。

では、それがどんな病気で、歯科治療にどのような影響を与えるのか、お話していきます。

 

血栓症とは

血栓症とはとても怖い病気です。

血管内に「血栓」と呼ばれる血の塊ができると、深刻な健康リスクが生じます。血栓が血管の壁から剥がれ、血流にのって移動し、別の場所で管を詰まらせることがあります。これにより、血液の流れが遮断され、栄養や酸素がその先の組織や細胞に届かなくります。その結果、詰まった血管の先にある細胞が壊死し、組織が損傷します。

特に脳や心臓の管が詰まると、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気を引起こし、脳梗塞では、脳の一部が血流不足に陥り、重大なダメージを受け、麻痺や言語障害など後遺症が残ることがあります。心筋梗塞では、心臓の筋肉に酸素が供給されなくなり、心臓が正常に機能しなくなって急死に至る危険性もあります。

また、血栓が肺の血管を塞ぐ肺塞栓も危険で、これも命に関わることがあります。血栓ができやす状態や、長時間の座りっぱなしや脱水状態などは、特に注意が必要です。

 

 

血栓症の種類

血栓が作られるメカニズムにより、血栓の種類は２つにわけられます。

 

動脈血栓

動脈血栓は、動脈内に形成され血栓です。動脈は心臓から全身へ酸素をぶ血液が速い速度で流れる血管ですが、この血流の血液の粘性とのバランスが崩れると、血小板が集まり血栓が形成されます。特に血液の粘度が高くなるなどの要因でこのバランスが崩れやすく、血管が狭くなったり、動脈硬化のような管の異常がある場合には動脈血栓が発生しやすくなります。動脈栓は脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気の原因となることがあります

静脈血栓

静脈血栓は、静脈内で形成される血栓のことです。静脈は全身から心臓に血液を戻す役割を担っていますが、動脈と比べて血流が遅いため、長時間動かない状態（例：行機や車での長時間の移動、院中の安静時）や、血液の流れが停滞しやすい状況では、血液中の赤血球とフィブリンというタンパク質が凝固しやすくなり、血栓ができやすくなります。静脈血栓が足や脚の深部にできる「部静脈血栓症（DVT）」や、それが肺に移動して血管を塞ぐ肺塞栓症（PE）」は、特に深刻な合併症引き起こす可能性があります。

どちらのタイプの血栓も、放置すると生命に関わる危険性があるため、血栓ができやすいリスクがある場合や、症状（足の腫れや痛み、呼吸難など）が現れた場合には、早急な対応が必要です。

では、どのように治療するのでしょうか？

基本はお薬を服用する治療になります。

 

血栓症に対するお薬

血栓症の発症を予防するためには、血液を「サラサラ」に保つ薬剤である抗血栓薬服用します。

上記の通り、状態や原因によって使用する薬剤が異なります。

動脈血栓の予防

動脈血栓を予防ためには、血小板の凝集を抑える「抗血小板」（例：バイアスピリンなど）が使用ます。これにより、血小板の凝固を防ぎ、血栓の形成を阻止します。

静脈血栓の予防

静脈血栓の予防には、赤血球やフィブリンが固まらようにする「抗凝固薬」（ワーファリン等）が使用されます。これより、血液凝固しにくくなり、静脈内での血栓形成を防ぎます。また、すでにできてしまった血栓を溶かすための「血栓溶解薬」もあります。これらの薬は、血栓が血管を塞ぐのを防ぐために、継続的に服用することが重要です。

 

抗血栓薬と歯科治療

歯科治療を行う上で絶対的に必要なのは外科処置の時です。

血小板やフィブリンは、出血時に破れた血管部分に集まり、止血を行う重要な役割をします。しかし、抗血栓薬を服用することでこれらの働きが抑制され、血液が固まりにくなります。つまり、出血が止まりにくくなるため、抜歯やインプラント手術などの外科的歯科治療に大きな影響を与える可能性があります。

歯治療では大きな手術以外で、動脈などの血管を触ることは少ないですが、抜歯などの小手術ではじんわりと出血が続くことがあります。通常、抜歯後にガーゼを１５分程度噛むことで出血は治まりますが、抗血栓薬を服用している方は、３０分程度からそれ以上の時間ガーゼを噛んでいただく必要がある場合があります。

 

安全に歯科治療を受けるために

歯科治療時の安全を確保するために、術前にお口の型をとり、骨折の時に腕にギプスを巻くように、術部を覆う「止血シーネ」というマウスピース型の装置を使い、血が完全に止まるまで噛んでいただく方法があります。抗血栓薬を服用していることを事前にお知らせいただければ、ししどファミリー歯科ではこのような治療が可能です。

過去には、外科的処置を行う際に抗血栓薬の服用を一時中止することが一般的でした。しかし、1１９９８年に「血栓が形成された場合、約８０％が致命的になる」という研究結果が発表されたことで、現在のコンセンサスでは「治療のために休薬をしない」という方針が基本となっています。休薬が原因で脳梗塞や心筋梗塞が起こるリスクを避けるため、自己判断での休薬は絶対に避けてください。場合によっては、処方されている医師と相談し、状況を確認した上で、外科処置など歯科治療に介入します。

まとめ

抜歯やインプラント手術後に血が止まりにくいと、患者様は不安を感じます。しかし不安を軽減するために、事前に適切な準備を行います。内科医師と現在の血液検査結果や服用中の薬について相談することもあります。また、止血が難しい場合や、一度に多くの歯を抜くなどは大学病院の口腔外科での治療が推奨されることもあります。お困りの際はぜひご相談ください。

安心安全な治療を受るためにも、持病や服用中のお薬について必ず担当の歯科医師にお知らせください

 

いかがでしたでしょうか？

血液をサラサラにするお薬は、歯科治療を行う上でリスクのある薬剤なので、必ず教えてください。

ししどファミリー歯科では、カウンセリングや説明の時間を重視しており、ゆったりした時間を設け、患者様が治療の内容を十分に理解し、納得した上で治療に進むことができるようにつとめています。

ご相談・ご来院をお待ちしております。

 

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